最近、息子が絵本の『ももたろう』を保育園から借りてきたので、一緒に読みました。
むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがありました。
まいにち、おじいさんは山へしば刈りに、おばあさんは川へ洗濯せんたくに行きました・・・
・・・え、ちょっと待って。・・・山へ芝刈りに??・・・山って芝生はえてたっけ???
いいからぁ!パパ早く読んで~(ガツッ
息子に小突かれたのでそのときはスルーしましたが、「山へ芝刈りに」に対する疑問が頭から離れず、その日の夜に調べてみることに。
すると、驚愕の新事実(あくまでも個人的な)が発覚。
おじいさんが刈っていたのは芝生の芝(しば)ではなく、柴(しば)という木の枝だったのです。
つまり、おじいさんは柴刈りに行っていたのです(しつこい)。
「柴刈り」とは一体なんなのか?
次に湧くのが、柴刈りって何のこと?という疑問です。
そもそも「柴」が何なのか?知りませんでした。漢字自体も、人の苗字や柴犬の「柴」でしか見たことないです。
柴(しば)とは?
里山などに生えているそこまで大きくない雑木を、「柴」というそうです。ある特定の種類ではなく、小さい木の総称といった感じ。
そして「柴刈り」とは、そういう木の枝を刈って集めたり、地面に落ちている枯れ枝を拾い集めたりすること。
そう、ももたろうのおじいさんは、近くの山に木の枝を集めに行っていたのです。
そういえば、昔ばなしを見ていると、木の枝を背負っている人物がやたらと出てきます。彼らは柴刈りに行った帰りだったのですね。
また、有名な二宮金次郎さんもよく見ると柴を背負っています。
おじいさんはなぜ、柴刈りに毎日行くのか?
ももたろうのおじいさんが柴刈りに行く理由としては
- 焚き木・燃料として使うため
- 里山の整備のため
の2つが挙げられます。
ガスが無い時代、薪・焚き木の確保は必須だった
昔の人たちは、炊事で使うかまどや囲炉裏、お風呂では薪を燃やしていました。柴(=木の枝)は、薪に火を付ける「焚き付け」として使われていたそうです。
日常生活の必需品ですから、頻繁に柴刈りに行って、木の枝を集めてくる必要があったわけですね。
低木の枝打ちや枯れ枝拾いは、里山の適切な管理に必要
また、里山や雑木林は、放置すると荒れ放題になってしまいます。逆に、キチンと手入れをすれば、資源として利用し続けることができます。
里山の適切な管理のためには、定期的に灌木(低木)を間引いたり枝を切ったり、地面に落ちた枯れ枝を取り除くことが必要だそうで、これも柴刈りと呼ばれます。
桃太郎のお話では、「毎日、おじいさんは柴刈りに」と始まるので、日々使う焚き木集めとして柴刈りに行っている可能性が高いと考えられます。
ちなみに柴犬は、なんで「柴」なのか?
ついでに、柴犬の名前の由来についても調べてみました。なんで柴犬は「柴」がつくのか?ということです。
これには諸説あるそうですが、有力なのが
- 「柴」は古語で「小さなもの」を意味するから
← 柴犬は秋田犬や他の和犬に比べて小さいので、説得力ありますね。 - 雑木林(柴)の中でも機敏に動き、猟を助けたから
← 柴犬のルーツは猟犬だそうです。 - 毛の色が枯れた柴(枯れ枝)の色に似ているから
← たしかにチョット似ている気がします。
の3つです。
個人的には、1の「小さなもの=柴」が正しいかなぁと感じます。
参考 柴犬の名前の由来と言われているものは次のうちどれ? 愛犬の友オンライン
まとめ
「おじいさんはしば刈りに」と言うたびに、「なんで芝刈りするんだろ?おかしいよね。・・・まぁいいか。」とモヤモヤしていたので、今日スッキリできて満足です。
おじいさんは芝刈りをしていると思っている人はかなり多いと思うので、ぜひ豆知識をひけらかしてみてください。