著作権侵害のツイートをブログに埋め込むのはやめた方がいい。裁判沙汰になるかも

Twitterを見てると、明らかに著作権的にNGなツイートがすぐに見つかります。例えば、芸能人の写真とか、他人が描いたイラストとか。

ツイートした本人が著作権を侵害しているのは明らかなんですが、ブログ運営者として気になるのが、著作権を侵害しているツイートをブログに埋め込み表示するのはOKなのか?という点です。

気になって調べてみたところ、結構リスクが大きいのでやめたほうが安全そうです。

リスクは主に、

  1. 訴訟・トラブルのリスク
  2. Googleからのペナルティのリスク

の2つです。

著作権侵害ツイートの埋め込み表示で起こりうるトラブル・訴訟

これまで僕は

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自分が直接的に著作権を侵害しているわけじゃないし、ブログに埋め込むだけなら問題ないかな?グレーゾーンかな。

と考えていたのですが、もっと厳しく考えたほうが良さそうです。

というのは、最悪の場合、訴訟を起こされて裁判沙汰になる危険があるからです。

アメリカの裁判事例

写真家のJustin Goldmanさんは、 自分が撮った写真の著作権が侵害されたとして 、Yahoo・Timeなどの出版社やメディアを相手取って訴訟を起こしました。

コトの経緯は以下の通りです。

1.
Goldman氏がアメフト選手の写真を撮影し、写真共有アプリのsnapchatに投稿

snapchatに投稿された写真などのコンテンツは、閲覧から1~10秒間で自動消去される仕組みになっています。

2.
一部のユーザーがその写真をネット上にアップロード。

コンテンツが自動消去されるsnapchatですが、表示されている間にスクリーンショットを撮ったりサードパーティアプリを使ったりすれば、画像を保存することができます。このように保存された写真は、Redditという英語圏のソーシャル・ブックマーク・サイトに投稿されました。これで、写真は誰でも閲覧可能な状態になりました。

3.
Twitterで写真がツイートされ、一気に拡散される。

ツイートした人は写真の権利を持っていませんので、著作権を侵害するツイートです。

4.
大手メディアがツイート埋め込み機能を使って、写真をメディア上に掲載。

メディアにとっては、ライセンスフィーを払わないでも写真を掲載できるため、ツイート埋め込みは便利な機能のようです。

5.
Justin Goldman氏がメディアを提訴

大手メディアがGoldman氏の著作権を侵害しているとして、訴訟を起こしました。

この訴えに対して、出版社側は次のように反論しました。

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出版社

弊社は画像を所有してアップロードしたわけではなく、単に第三者のツイートにリンクしただけです。著作権は侵害していません。

そして、いわゆる「サーバーテスト」を根拠として略式判決を求めました。

サーバーテスト(server test)とは、簡単にいうと、

  • 自分のサーバーに画像データを保存し、ウェブサイト上にアップロードして直接ユーザーに閲覧させている場合
    著作権を侵害している
  • 第三者のサーバーに保存された画像を、ウェブサイト上に埋め込み表示したりリンクしたりしている場合
    著作権は侵害していない

という判断基準です。

「Googleの検索結果に画像が一覧表示されるけど、あれって著作権侵害じゃね?」という裁判のなかで生まれた、一つの判例だそうです。

大手出版社は、Goldman氏との訴訟を、このサーバーテストを使ってサクッと終わらせようとしました。サーバーテストを根拠にすれば、今回のケースも「著作権侵害にはあたらない」という結論になるからです。

ところが裁判所は、サーバーテストによる略式判決の申立てを却下しました。

サーバーテストは著作権侵害の有無の判断根拠にならない、と裁判所は考えたわけです。

現時点では略式判決が却下されただけですから、出版社側の著作権侵害が認められたわけではありません。もちろん、出版社側が勝訴する可能性もあります。

ただ、この裁判事例を見れば、「著作権を侵害しているコンテンツの埋め込み表示には法的リスクがある」ということが分かります。

参考 ニューヨーク連邦裁判所が埋め込みツイートは著作権侵害となり得ると判断TechCrunch Japan 参考 New York Court Rebuffs Ninth Circuit’s Copyright “Server Test,” Finds Embedded Tweet Displaying Copyrighted Image to Be InfringementProskauer Rose LLP

日本のニュースサイトも著作権侵害画像を埋め込み表示

ちょっと前に『マンションの外廊下にいるセミの横を安全に通過する方法』という記事を投稿したのですが、その記事中で「ひっくり返ってるセミの生死を見分ける方法」というイラストを、ツイート埋め込みで表示しようと考えました。

この画像です。

ここで埋め込んだツイートは、このイラストを描いたマンガ家さんご本人のものですが、元ネタにたどり着くのに少し苦労しました。

というのも、同じイラストを載せたツイートがたくさんあった上に、かなりバズっているツイートもあったからです。

リツイート数が一番多いツイートが元ネタなのかな?とも思いましたが、念の為にGoogleの画像検索でリサーチしてみました。

すると、どうやらこのイラストはオモロコというサイトに掲載されている漫画の1ページらしい、ということが分かりました。

参考 お暇つぶし漫画 「 蝉の恋 」オモコロ あたまゆるゆるインターネット

イラストの元ネタを探す途中、画像を掲載したりツイート埋め込み表示しているサイトをたくさんチェックしたのですが、その中には大手ニュースサイトもありました。

参考 地面にひっくり返っているセミの生死を見分ける方法 投稿が話題livedoor NEWS

↑の記事の中にはイラストのツイート埋め込みがありましたが、「あれ、このツイート本人のじゃないよな。大丈夫かな?」と思っていたら、少し経ってから追記で以下のとおりお詫び文章が掲載されました。

9月1日16時追記
当初、この記事で紹介したツイート内にあったイラストが、凸ノ高秀さんの作品だという旨を記載していませんでした。つきましては、本文を修正したうえで、掲載画像を変更しました。不正確な情報を掲載したこと、お詫びいたします。

livedoor NEWS

おそらく、ご本人か事情を知っている人が指摘したのだと思います。大きなトラブルにはなっていないみたいですが。

こんな感じで、著作権侵害のツイートを埋め込むと、トラブルが起こるリスクがあるというのは認識しておいたほうが良さそうです。

Googleからの評価が悪くなるリスク有り

裁判沙汰やトラブル以外にも、もう一つ見逃せないリスクが、Googleからの評価の低下です。

Googleが著作権侵害コンテンツに厳しいのは有名な話ですよね。コピペでコンテンツを作っても、検索結果の上位には絶対にいけません。

自分のサイト自体が著作権を侵害していなくても、著作権を侵害しているコンテンツを紹介するのもNGと考えたほうがよいと思います。

例えば、テレビ番組を違法にアップロードしたYoutube動画などは、明らかに著作権侵害コンテンツです。

この動画をブログ記事に埋め込んだ場合、

  1. (広告を掲載している場合は)アドセンス広告の配信停止
  2. 検索順位の低下
  3. 著作権者からのクレーム

といったトラブルが考えられます。

まず、Googleアドセンスの広告を掲載しているなら、著作権侵害の動画を埋め込み表示するのはアドセンスのポリシー違反になるので、遅かれ早かれ広告の配信停止をくらいます。

参考 アドセンス(Adsense)でポリシー違反と判定される動画についてりくまろぐ

また、Googleからの評価が下がって検索順位が下がる(上がらない)、という事態も十分にあり得ます。

ツイートについてもYoutube動画と同様に、著作権侵害のツイートを埋め込むとGoogleからの評価が下がるリスクはあるかと思います。

そういうツイート埋め込みがブログ内にあまりにも多い場合は、手動ペナルティも考えられます。

まとめ

著作権を侵害するツイートを埋め込み表示には

  1. クレームや訴訟、トラブル
  2. Googleからの評価の低下、ペナルティ発動

といったリスクがあります。

ツイートを埋め込むときには、そのツイートが誰かの著作権を侵害していないか?そのつど確認したほうが安全です。

画像の元ネタをリサーチする際には、Googleの「画像で検索」が便利です。

参考 Google 画像検索

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